3級テキスト【2021年~2022年版】「天体の時刻」への質問&解答
2022.11.9
『天文宇宙検定公式テキスト3級≪2021-2022年版≫』の
2章p32の記述内容について、ご質問をいただきました。
以下に回答いたします。
【質問】
3級公式テキストP32の平均太陽時と恒星時の変換のところですが、
「回帰年= 365.2422 平均太陽日
= 366.2422 恒星日
になる。
上記のことから、ある時間間隔を恒星時で測った値と平均太陽時で測った値の比1 + μは、
1 + μ= 1 平均太陽日/ 1 恒星日
= 366.2422 / 365.2422
= 1.0027379」
下から2行目で、平均太陽時と恒星日がなぜ逆になるのかわかりません。
【回答】
テキストの式ですが、1式と2式の間が省略されているのでわかりにくくなっていました。
内容は、恒星時のほうが太陽時より、1日約4分ほど進みが早いということです。
1+μ=1平均太陽日/1恒星日・・・・・・1式
=366,2422/365.2422・・・・・・2式
=1.0027379・・・・・・・・・・3式
とテキストで表現されていますが、
1式と2式の間が省略されていてわかりにくくなっていました。
テキストにある上記の式の上に、以下の式が記述されています。
1回帰年=365.2422平均太陽日=366.2422恒星日 ……………… (1)
するとここから
1平均太陽日=(366.2422/365.2422)恒星日 ……………… (2)
と表すことができます。
つまり、(2)から1平均太陽日=(366.2422/365.2422)恒星日ですので
これを1式に入れると
=(366.2422/365.2422)恒星日/ 1恒星日 (3)
この両辺を1恒星日で割ると
=366.2422/365.2422
=1.002739
となります。
(3)が省略されていたので、数値が逆ではないかと思われたかと思います。
1回帰年は,地球が太陽の周りを1周する時間で,1回帰年=365.2422太陽日 となります。
暦の1年には端数はないので,暦では,およそ4年に1回(正確には,400年に97回)うるう日を入れて,年と日のずれを調整しています。
次に,1恒星日(恒星が南中して,次に南中するまでの時間)は,
1平均太陽日(太陽が)よりおよそ4分短い)≒23時間56分(平均太陽時で測って)です。
およそ4分短いのは,地球の公転運動のため,
平均太陽が,地球が自転している間に黄道をおよそ1°ほど東に移動するため,
1平均太陽日のほうが1恒星日よりおよそ4分ほど長くなります。
これが,1年間(1回帰年の間)続くと,
太陽に対して365.2422回回転することになりますが,
恒星に対しては,公転により1回転分が加わり,
(365.2422回+公転による1回分)=366.2422回回転することになります。
したがって,1回帰年=366.2422恒星日となります。
恒星時の方が早く進みます
(太陽時に比べて1日におよそ4分;より正確にはおよそ3分56秒),
また、その進む割合を 1+μ で表します。
具体的なμの計算方法は,1日(24時間)あたりおよそ 3分56秒 進むので,
24時間3分56秒(太陽時)を24時間(1太陽時)で割ることで計算できること
(ここでは太陽時で表していることになりますが)
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