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第7回試験問題へのご質問に対する回答

本日現在、試験問題について、いくつかのご指摘・ご質問を頂戴しております。
ありがとうございます。
以下のとおり、回答申し上げます。

■2級・問21
次のうち、スケールの比率が最も小さいものはどれか。
(1)銀河系サイズとオールトの雲サイズの比率
(2)人間サイズと富士山サイズの比率
(3)宇宙全体サイズと宇宙の大規模構造の比率
(4)銀河団サイズと星団サイズの比率

【正答】
(3)→全員正解

【解説】
この問題では、物体や天体の大まかなサイズ・スケールの比率を問うている。とらえ方によって10倍以上の違いはでるが、大づかみに理解するのが重要である。また指数表現も使うことで慣れておくとよい。(1)銀河系は1020mのサイズ、オールトの雲は1016mのサイズなので、比率は104m(1万)倍。(2)人間は、10mのサイズ、富士山は104mのサイズなので、比率は104(1万)倍。(4)銀河団は1022mのサイズ、星団は1018mのサイズなので、比率は104m(1万)倍、である。これらはとらえ方や個別の天体によってサイズは10倍程度は軽く違うこともある。一方、(3)宇宙全体のサイズ 1026mと、大規模構造サイズ 1024mは100倍程度であり、他の天体や物体同士のサイズ・スケールの比率より明らかに小さい。したがって、正答は(3)である。

【質問】
正答は(3)宇宙全体サイズと宇宙の大規模構造の比率となっていますが、「観測可能な宇宙のサイズ」との比率であれば正答例のとおりで正しいと思いますが、宇宙そのもののサイズは無限と考えられるため、問題どおりの記載では(3)は正答になり得ないのではないかと思っております。上記についてどう考えればよろしいでしょうか。

【回答】
選択肢(3)の「宇宙全体サイズ」について、(観測可能な)宇宙全体サイズという意図で出題いたしましたが、選択肢として正確な表現ではありませんでしたので、この問題を全員正解といたします。

■2級・問37
日本は江戸時代まで、中国の暦を輸入して使用してきた。これについて間違って述べたものはどれか。
(1)白村江の戦いで中国に敗れた後、中国の暦を採用した
(2)宣命暦は800年以上も採用され続けていた
(3)高橋至時による寛政の改暦によって初めて日本独自の暦が採用された
(4)中国の授時暦は日本独自の貞享暦を作る際に参考にされた

【正答】
(3)

【解説】
日本独自の暦として最初に採用されたのは、貞享暦である。これは、中国の授時暦を参考にして渋川春海が作った大和暦で1684年に採用され、年号にあわせて貞享暦と呼ばれた。寛政の改暦は、貞享暦より100年後の1797年に高橋至時らが担当した。

【質問】
正答が(3)となっておりますが、(2)も正答となると思います。(2)の文章で、「宣命暦」と表示されておりますが、公式テキストは「宣明暦」と記載されております。

【回答】
選択肢(2)「宣命暦」は「宣明暦」の誤植でした。訂正してお詫び申し上げます。

■1級・問8
宇宙には重力は及ぼすものの光などの電磁波を放射しない暗黒物質(ダークマター)が存在している。現在、ダークマターの最も有力な候補と考えられているものはどれか。
(1)冷たくなった白色矮星や小惑星などのバリオン物質
(2)ブラックホール
(3)ニュートリノ
(4)未知の素粒子

【正答】
(4)→全員正解

【解説】
マイクロ重力レンズなどの観測から、白色矮星やブラックホールなどの巨視的な天体はダークマターの一部ではあるかもしれないものの、主な候補としては絶対量が足りないことがわかっている。またダークマターが銀河や銀河団などと同じ広がりをもっていることなどから、ニュートリノも不適切である。現在可能性として残っているのは、アキシオンやニュートラリーノなど、素粒子の標準モデルには含まれない未知の素粒子である。

【質問】
正答は(4)未知の素粒子となっていますが、『超・宇宙を解く』初版1刷P208の1行目に、「このダークマターの正体については、ニュートリノ、未知の素粒子、ブラックホール、暗い小天体(中性子星、白色矮星、褐色矮星、惑星)など、いくつかの候補があがって来たが、そのほとんどが否定的な結果しか得られておらず、現在もまだ謎のままである」との記述があり、正誤表もありません。テキストを信頼して勉強した私としては、選択肢なしとしか思えませんし、まだ未知の素粒子が有力候補として学会で認知されているとも思えません(一部の学者・研究機関が主張しているのみ)。

【回答】
選択肢の(1)(2)(3)は、ほぼ否定されているため、消去法から正答は(4)未知の素粒子となりますが、未知の素粒子についても、まだ解明されていないため、解なしとも受け取れます。そのため、この問題を全員正解といたします。

■1級・問19
2017年は、パルサーと呼ばれる天体が発見されてから50年になる。パルサーは、高速に回転する星から、灯台のサーチライトのように規則的に電波を発している。パルサー発見に関するもののうち、誤っているものを選べ。
(1)第一発見者のジョスリン・ベルは学生だったが、指導教授のアントニー・ヒューイッシュとともにノーベル物理学賞を受賞した
(2)規則的な電波の原因を宇宙人からの信号だと考えた発見者は、信号を「緑の小人1号」と呼んだ
(3)パルサーが中性子星と考えられている理由は、小さくて硬い物質でなければ高速回転を説明できないからである
(4)現在では20万個以上が発見されていて、パルスの周期は1.4ミリ秒から8.5秒のものまで知られている

【正答】
(1)→全員正解

【解説】
1974年のノーベル物理学賞は、電波天文学の開拓者という功績でマーティン・ライルとヒューイッシュ二人への贈賞だったが、パルサーに関連してはヒューイッシュだけであった。

【質問】
誤っている文章は(1)が正答とのことで、これは確かにそうですが、(4)も誤っている文章ではないでしょうか。(4)には、20万個以上が「発見」されていると書かれていますが、20万個というのは銀河系内に存在すると予想される数であって、実際に発見されているのは2000個程度なのではないでしょうか。そうするとこの文章は誤りでこちらも正答ということになります。

【回答】
選択肢(4)「現在では20万個以上が発見されていて」は、「現在では銀河系内に20万個以上あると予想されていて」の間違いでした。正答が(1)と(4)になるため、本問題を無効とし、全員正解にいたします。

■1級・問40
図のような両対数のスペクトル図で直線状になるスペクトルは、どのような機構で形成されるか。
(図は割愛、解答速報でご確認ください:http://www.astro-test.org/answer_flash7_2017/)
(1)シンクロトロン放射
(2)黒体輻射
(3)束縛-束縛遷移
(4)べき乗型スペクトル発生機構

【正答】
(1)

【解説】
磁場の中に相対論的速度で運動する高エネルギー電子が飛び込んでくると、磁場によって軌道を曲げられ加速運動を起こし、その結果、連続的な電磁波が放射される。これをシンクロトロン放射(磁気制動放射)と呼ぶ。シンクロトロン放射は一般的に、図のような、べき乗型スペクトルになる。熱せられた物質から放射されるのが黒体輻射で、黒体輻射は物質の温度に対応したスペクトルのピークをもつ。原子内のエネルギー状態の変化で生じる束縛-束縛遷移では、輝線または吸収線が生じる。(4)は図のようなスペクトルの形状をべき乗型スペクトルと呼ぶが、べき乗型スペクトル発生機構という呼び方はない。

【質問】
正答は(1)シンクロトロン放射となっていますが、出題のスペクトル図は『超・宇宙を解く』P28図6.4で紹介されている3C 273で、『超・宇宙を解く』P211に「このべき乗型スペクトルはシンクロトロン放射、あるいは逆コンプトン過程で形成されていると考えられている」と記載されています。『超・宇宙を解く』に準拠すれば、正答は「シンクロトロン放射あるいは逆コンプトン過程」となり、それらを総称して「べき乗型スペクトル発生機構」とまとめざるを得ないのではないでしょうか。『超・宇宙を解く』に「シンクロトロン放射あるいは逆コンプトン過程」と書いてある以上、シンクロトロン放射だけを正答としては誤りなので、「べき乗型スペクトル発生機構」とまとめざるを得ないと考えましたがいかがでしょうか。

【回答】
シンクロトロン放射“と”逆コンプトン過程ではなく、シンクロトロン放射、あるいは逆コンプトン過程のように、あるいは、で並んでいる表現なので、日本語表現からは片方だけで成り立つものであり、シンクロトロン放射だけでも正答になります(他の選択肢に、逆コンプトン過程があれば、いけませんが)。したがって、問40の正答は現状のままとさせていただきます。

  
 
   
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