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4級テキスト【2020年版】へのご質問と回答

『4級公式テキスト』に、読者の方より、以下のようなご質問をいただきました。

「6ページでは、「……探査機が他の太陽系の中を通過する確率は、100億年に1 回以下といわれている」。18ページでは、「ボイジャー1号や2号が他の太陽系の中を通過する確率は1億年に1度くらいと考えられている」と、表記の揺れがございます。どちらが正しいでしょうか(ご質問メールを一部改変)。

まずは、回答が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
ご指摘いただきました、表記の揺れによるわかりづらさにつきましては、今後の編集業務の参考にさせていただきます。
ご質問いただきまして、誠にありがとうございました。

以下に、編者からのお返事をお伝えします。
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100億年に1度以下が正しい。
ただ、1億年に1度でもまちがっていないのです。

科学者の研究によると、現在発見されている星の数からすると、ボイジャーが、他の恒星を中心とする直径1光年の範囲を通るのは500万年ごとです。
太陽系の天体で、現在直径1光年は太陽から発見されている一番遠い天体(2018 VG18)までの距離の250倍です。つまり「まと」の幅が250分の1、面積は6万分の1になりますから、太陽系の中を通るのはさらに6万倍も難しく、3000億年に1度となります。

実際にはまだ発見されていない星もたくさんありますし、太陽系の大きさもより広いかもしれません。そう考えると100億年から1000億年に1度くらいと考えるのがよいでしょう。

ただ、太陽系の大きさはもっとずっと広くて、2光年くらいあるという考えもあります。
そうなると、100万年に1度は他の太陽系の中を通るといえないことはありません。
太陽系の大きさはまだよくわかっておらず、もしかしたらもっとひんぱんに他の太陽系を通るかもしれません。

ただ、隣の太陽系まで、もしまっすぐに行ったとしてもボイジャーは10万年はかかりますので、1000年ということはありません。
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